フィーチャの結合 (Join Features)

フィーチャの結合


[フィーチャの結合] ツールは、2 つのレイヤーを操作します。[フィーチャの結合] は、空間、時系列、および属性リレーションシップ (または 3 つのリレーションシップの任意の組み合わせ) に基づいて、1 つのフィーチャの属性をもう 1 つのフィーチャに結合します。このツールは、指定の結合条件を満たしているすべての入力フィーチャを特定し、最初の入力レイヤーに 2 番目の入力レイヤーを結合します。必要に応じて、すべてのフィーチャを一致するフィーチャに結合したり、一致するフィーチャを集計したりすることができます。

[フィーチャの結合] は、ポイント、ライン、エリア、およびテーブルに適用できます。時系列的結合では、入力データが時間に対応している必要があり、空間結合では、データにジオメトリが含まれている必要があります。

ターゲット レイヤーの選択


このレイヤーのテーブルに、結合レイヤーの属性が追加されます。

[近接] 空間リレーションシップを使用する解析には、投影座標系が必要です。 [分析環境][処理に使用する座標系] を設定できます。処理に使用する座標系が投影座標系に設定されていない場合、 [分析の実行] を行うときに設定するようにプロンプトが表示されます。

マップからレイヤーを選択できるだけでなく、ドロップダウン リストの下部にある [解析レイヤーの選択] を選択し、ビッグ データ ファイル共有データセットまたはフィーチャ レイヤーのコンテンツを参照して選択することもできます。

ターゲット レイヤーに結合するレイヤーの選択


この結合レイヤーの属性が、ターゲット レイヤーに追加されます。

マップからレイヤーを選択できるだけでなく、ドロップダウン リストの下部にある [解析レイヤーの選択] を選択し、ビッグ データ ファイル共有データセットまたはフィーチャ レイヤーのコンテンツを参照して選択することもできます。

結合方法の選択


結合するレイヤーと同じリレーションシップのある結合フィーチャが複数存在する場合に、出力でターゲット レイヤーおよび結合レイヤーの間の結合を処理する方法を決定します。次の 2 つの結合方法の中から選択できます。

  • 1 対 1 の結合 - このオプションを選択すると、結合するフィーチャごとに、一致するフィーチャがすべて集計されます。
  • 1 対多の結合 - このオプションを選択すると、一致するフィーチャがすべて結合レイヤーに結合されます。

たとえば、ファーマーズ マーケットから 2 キロメートル以内にあるスーパーマーケットを検索するとします。この場合、ターゲット レイヤーには、ファーマーズ マーケットを表す 1 つのフィーチャがあり、結合レイヤーは現地の食料品店を表し、年間総売上などの属性を持っています。[フィーチャの結合] ツールを使用すると、5 軒の食料品店が指定の条件を満たしていることがわかります。 [1 対多の結合] の結合方法を指定した場合、結果として 5 つのフィーチャが生成され、各行はファーマーズ マーケットとスーパーマーケットを表します。 [1 対 1 の結合] リレーションシップを指定した場合は、ファーマーズ マーケット、スーパーマーケットの集計情報 (軒数 (2) など)、その他の統計情報 (年間総売上など) を表す 1 つのフィーチャが生成されます。

1 つ以上の結合を選択


使用される結合オプションを指定します。次の結合タイプのうちの 1 つ、2 つ、または 3 つを適用できます。

  • 空間 - 指定の空間リレーションシップを使用してフィーチャを結合します。これには、両方のレイヤーにジオメトリがあることが必要です。
  • 時系列 - 時系列リレーションシップを使用してフィーチャを結合します。これには、両方のレイヤーで時間を有効にする必要があります。
  • 属性 - 一致するフィールドに基づいてフィーチャを結合します。

空間リレーションシップの選択


フィーチャが互いに結合しているかどうかを判断する空間リレーションシップ。次の使用可能なリレーションシップは、入力フィーチャとして使用されているジオメトリのタイプ (ポイント、ポリライン、またはポリゴン) によって決まります。

  • Intersects - 互いに交差している場合に、フィーチャが一致します。
  • Equals - 同じジオメトリがある場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。
  • Near - 互いに指定の距離内にある場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。空間的な 近接リレーションシップが使用されている場合、ターゲット レイヤーが投影座標系である、もしくは [分析環境] の設定で、処理で使用する空間参照を投影座標系に設定する必要があります。
  • Contains - ターゲット レイヤーが結合フィーチャを含む場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。
  • Within - ターゲット レイヤーが結合フィーチャに含まれている場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。
  • Touches - ターゲット フィーチャに接している境界がある場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。
  • Crosses - 交差アウトラインがある場合に、フィーチャの結合条件が満たされます。
  • Overlaps - オーバーラップしている場合に、フィーチャが結合されます。


空間的な近接リレーションシップに適用される半径を指定します。

たとえば、原子炉設備を表すデータセットおよび住宅を表すデータセットがある場合、原子炉設備から 1 キロメートル以内の住宅を見つけるために、1 キロメートルの nearSpatial 距離を設定することができます。

時系列リレーションシップの選択


フィーチャが互いに結合しているかどうかを判断する時系列リレーションシップ。このオプションを使用できるのは、両方のレイヤーで時間が有効になっている場合に限ります。使用可能なリレーションシップは、入力フィーチャに使用される時間のタイプ (即時または間隔) によって決まります。使用可能な時系列リレーションシップを次に示します。

  • Meets - 最初のフィーチャが 2 番目のフィーチャに時間的に接している場合に、フィーチャが一致します。
  • Met By - 2 番目のフィーチャが最初のフィーチャに時間的に接している場合に、フィーチャが一致します。
  • Overlaps - 最初のフィーチャが 2 番目のフィーチャに時間的にオーバーラップしている場合に、フィーチャが一致します。
  • Overlapped By - 2 番目のフィーチャが最初のフィーチャに時間的にオーバーラップしている場合に、フィーチャが一致します。
  • During - 最初のフィーチャが時間的に 2 番目のフィーチャ内にある場合に、フィーチャが一致します。
  • Contains - 最初のフィーチャに 2 番目のフィーチャが含まれている場合に、フィーチャが一致します。
  • Equals - 最初のフィーチャが 2 番目のフィーチャと同じである場合に、フィーチャが一致します。
  • Finishes - 最初のフィーチャが 2 番目のフィーチャを終了している場合に、フィーチャが一致します。
  • Finished By - 2 番目のフィーチャが最初のフィーチャを終了している場合に、フィーチャが一致します。
  • Starts - 最初のフィーチャが 2 番目のフィーチャを開始している場合に、フィーチャが一致します。
  • Started By - 2 番目のフィーチャが最初のフィーチャを開始している場合に、フィーチャが一致します。
  • Intersects - 時間が交差している場合に、フィーチャが一致します。
  • Near - フィーチャが互いに近接している場合に、これらのフィーチャが結合されます (指定の時間で判断)。
  • Near Before - 1 番目のフィーチャが 2 番目のフィーチャよりも時間的に前であり、指定された時間の範囲内である場合に、フィーチャが結合されます。
  • Near After - 1 番目のフィーチャが 2 番目のフィーチャよりも時間的に後であり、指定された時間の範囲内である場合に、フィーチャが結合されます。


時系列の近接リレーションシップに適用される時間的半径を指定します。時系列の近接リレーションシップは、 [Near][Near Before]、および [Near After] を含みます。

たとえば、ボート インシデントのレイヤーおよびハリケーンの GPS トラックのレイヤーが存在する場合、空間 (1 キロメートル) と時間 (5 時間) の両方において、ハリケーン進路から指定した距離内のボート インシデントを検索することができます。この結果として、空間的にも時間的にも近接して発生したボート事故がハリケーンに結合されます。

照合するフィールドの選択


1 つのレイヤー内のフィールドの値と、もう 1 つのレイヤー内のフィールドの値が照合されます。

たとえば、郡全体での居住地住所の区画レイヤー ( ZIP フィールドを含む) と、郵便番号別の医療人口統計の表形式データセット (フィールド名は HEALTHZIP) がある場合、 ZIP フィールドと HEALTHZIP フィールドを照合して、医療データセットを居住地データに結合できます。この結果として、居住地とそれに対応する医療データのレイヤーが生成されます。

統計情報の追加 (オプション)


結合方法が [1 対 1 の結合] である場合、結合されたフィーチャに対して統計情報を計算します。デフォルトでは、すべての統計情報が計算されます。

集計されたフィーチャの統計情報を計算することができます。次の数値フィールドを計算に使用できます。

  • 個数 - NULL 値でない値の数を計算します。数値フィールドまたは文字列に使用できます。 [null, 0, 2] のデータの個数は 2 です。
  • 合計 - フィールド内の数値の合計。[null, null, 3] を合計すると 3 になります。
  • 平均 - 数値の平均。[0, 2, null] の平均値は 1 です。
  • 最小 - 数値フィールドの最小値。[0, 2, null] の最小値は 0 です。
  • 最大 - 数値フィールドの最大値。[0, 2, null] の最大値は 2 です。
  • 範囲 - 数値フィールドの範囲。これは、最大値から最小値を減算して計算されます。[0, null, 1] の範囲は 1 です。[null, 4] の範囲は 0 です。
  • 分散 - トラッキング データの数値フィールドの分散。[1] の分散は NULL です。[null, 1,0,1,1] の分散は 0.25 です。
  • 標準偏差 - 数値フィールドの標準偏差。[1] の標準偏差は NULL です。[null, 1,0,1,1] の標準偏差は 0.5 です。

次の文字列フィールドを計算に使用できます。

  • 個数 - 非 NULL 文字列の数。
  • すべて - この統計情報は、指定のフィールドからランダムにサンプリングされた文字列値です。
すべての統計情報は、NULL 以外の値で計算されます。結果レイヤーには、計算された各統計情報の新しいフィールドが含まれます。属性と統計情報を選択することで、任意の数の統計情報を追加できます。

すべての統計情報は、NULL 以外の値で計算されます。結果レイヤーには、計算された各統計情報の新しいフィールドが含まれます。属性と統計情報を選択することで、任意の数の統計情報を追加できます。

フィーチャを結合する条件式を作成します (オプション)


条件を指定のフィールドに適用します。これらの条件を満たしているフィールドを含むフィーチャだけが結合されます。

たとえば、 health_spendingincome の 20 パーセントを上回っているフィーチャの場合にのみ、そのフィーチャのデータセットに結合を適用する場合、1 番目のデータセット (フィーチャの結合先のデータセット) のフィールド health_spending および 2 番目のデータセット (結合されるデータセット) のフィールド income を使用して、「 $target["health_spending"] > ($join["income"] * .20)」という結合条件を適用します。

演算式を使用して結合条件を適用できます。

データストアの選択


GeoAnalytics の結果はデータ ストアに保存され、フィーチャ レイヤーとして Portal for ArcGIS に公開されます。 多くの場合、結果はビッグ データ ストアに保存され、これがデフォルトとなっています。結果をリレーショナル データ ストアに保存したほうがよい場合もあります。 結果をリレーショナル データ ストアに保存する理由は以下のとおりです。

  • 結果をポータル間のコラボレーションにおいて使用できます。
  • 結果との同期機能を有効化することができます。

GeoAnalytics の結果が増加すると予想されており、大量のデータを処理するビッグ データ ストアの機能を利用したい場合には、リレーショナル データ ストアを使用すべきではありません。

結果レイヤー名


作成されるレイヤーの名前。 ArcGIS Data Store に書き込んでいる場合、結果は [マイ コンテンツ] に保存され、マップに追加されます。ビッグ データ ファイル共有に書き込んでいる場合、結果はビッグ データ ファイル共有に格納され、そのマニフェストに追加されます。この場合、結果はマップに追加されません。 デフォルトの名前は、ツール名と入力レイヤー名に基づいて設定されます。レイヤーがすでに存在する場合、このツールは正常に実行されません。

[出力の保存場所] ドロップダウン ボックスを使用して ArcGIS Data Store (リレーショナル データ ストアまたはビッグ データ ストア) に書き込むときは、結果が保存される [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定できます。